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再現性と細胞品質の向上に!細胞の状態評価を可視化しよう!
シャーレやプレート内で培養されている細胞を顕微鏡で観察し、自分では良いと思った細胞の状態の判断結果でも、他の人はこのように言うかもしれません。―「もう少し培養したほうが…」「なんか細胞に元気がないね」「形が変じゃない?」―
果たして、この目視による細胞状態の評価は信頼性が高いのでしょうか?そもそも「細胞の見た目だけ」という極めて属人的、主観的な基準で、次の作業や実験段階に進めて良いのでしょうか。
ここでは、主観的な細胞の状態評価がもたらす課題、そしてその課題に対して当社が提案するソリューションを解説します。
実は「同じようで同じではない」、細胞の培養条件
日時、細胞数を揃えて細胞を撒いたと思っていても、細胞が培養されている環境(条件)は必ずしも一定ではありません。作業者の違いだけではなく、たとえば細胞の大きさや形、個々の細胞の細胞周期、代謝プロファイルや分化状態は異なります。また細胞播種の際は計算で細胞濃度を求めて培養器材へ細胞を添加するため、(誤差範囲と言えるかもしれませんが)ウェル間の細胞数には微妙な差が生じています。
操作による差だけではありません。たとえば添加するFBS(Fetal Bovine Serum;ウシ胎仔血清)は「生もの」で、違うロットでは成分も異なることから、わずかであっても培養環境に差を与える可能性があります。このように、細胞培養の条件を完全一致させることは非常に困難です。
細胞の主観的な状態評価の例
培養条件が完全一致しないにも関わらず、これまでの細胞培養では顕微鏡を介した目視による細胞の状態評価が一般的でした。
たとえば以下のような評価例があります。
・「普段よりも培養速度が遅い/早い」
・「細胞の形が異常だ」
・「そろそろ培地交換した方が良い」
・「そろそろ継代の時期だ/いや、まだそうでない」
・「●●%コンフルエンシーの時に継代/作業して」
この中に抽象的でない評価基準があるでしょうか。全て感覚的な評価や判断で、客観的な指標として活用可能な数値基準が明示されていません。
細胞の主観的な評価がもたらす課題
これらの主観的な評価が正しいこともあるでしょう。しかし、生物学に限らずどのような研究でも、本来はデータに基づく理論的な説明が求められます。作業者の経験や主観に依存する、目視による細胞状態の判断は非常に抽象的・定性的になりがちです。
さらに、目視での評価法では「顕微鏡で観察された、特定のエリアからの判断」という地理的な評価であること以外にも、「観察時のみ」という「特定の時間軸での評価」となります。最初に述べたように、培養条件は必ずしも一定ではないことから、目視ではこれまでの培養の経過を十分に把握して評価しているとは言えません。評価基準の「ブレ」を補完するためにサンプル数(n数)を増やしても同様です。
そして特に細胞製品の製造現場では、品質管理のために一貫した評価基準が求められます。観察者の主観によってばらつきが生じる可能性の高い目視評価では、性能と品質が安定した細胞を恒常的に入手・製造するのは困難です。
細胞評価を可視化&標準化!PHCの「LiCellMo」
PHC株式会社が開発したライブセル代謝分析装置「LiCellMo」は、「培地中のグルコースと乳酸の濃度変化」を指標として、ラベルフリーかつ非侵襲で細胞状態の変化をリアルタイムに測定する装置です。培養中の細胞へ手を加えないことから、細胞にとって最適な培養環境を維持しつつも継続的な評価を可能としました。
従来の目視観察による「限定された領域の、定性的な評価」という課題に対し、「LiCellMo」はこれまでの培養経過を可視化し、「数値による定量的な細胞状態評価」というソリューションを提供します。細胞状態の評価基準を具体的な数値で決定できることから、作業者の経験値や主観に左右されない、一貫性ある細胞評価体験が可能となります。
細胞評価プロセスの可視化と標準化に、「LiCellMo」の活用をご検討ください。
細胞培養条件の最適化に役立つ具体的な活用事例については、LiCellMo を用いた培養プロセスの新たな視点を紹介した記事でも詳しく解説しています。以下からご覧いただけます。

PHC株式会社による検証データを掲載した、細胞培養に動態の視点を追加するLiCellMoのアプリケーションノートはこちらからご覧ください。
導入事例のご紹介
代謝解析に動態という視点を追加し、解像度を高める具体的な活用事例については、LiCellMoを用いた代謝分析の新たな視点を紹介した記事でも詳しく解説しています。以下からご覧いただけます。
